令和４年度 福岡県立筑紫中央高等学校（全日制）
第２学期始業式式辞
おはようございます。
昨日西鉄下大利駅から雑餉隈駅までの高架切り替えが行われ、下大利駅が新しくなりました。地域の方々が新しく生まれ変わった下大利駅を祝福されました。本校の書道部の作品が構内に飾られています。大野城市発展のためにも、本校はさらに地域に開かれた学校をめざしていきます。
さて、１か月ほどの夏休み期間中、大きな事件や事故の報告を受けることもなく、２学期を迎えることができる事を嬉しく思っています。
１学期終業式の時に「自分を認め自己肯定感を向上させましょう」「将来の夢について考えましょう」と話しました。皆さんは自分なりに対応したと思っていますし、その効果は必ずその人にもたらされると信じています。
さて、始業式に当たり校長としてこの夏に感じたことをふまえ、皆さんに伝えたいことを一つ話します。
「見て、考えて、やってみる」ということです。諺の「百聞は一見にしかず。」を知っていると思います。「何度も聞いて説明されるよりは、実際見るほうが確実だ。」という事です。英語ではTo see is to believe. または Seeing is
believing.「見ることは信じること」と言います。私は、「考えてやってみる」という意味を含めて理解しています。
夏休み中に、この第５学区の中学生相談事業が春日市のクローバープラザで実施されました。コロナ感染状況の中で中学生を一会場に集めることに周囲から心配する声も出ました。これは当然のことです。それでも私はこの事業の実行委員長として、中学生に、「実際の高校生を見せたい。」という強い思いから、関係者と話しをして理解頂き、協力いただいたおかげで実現できたものです。かかわった皆さんに感謝しています。この会では、第５学区内の公立高校の生徒が自分の学校のことを紹介・説明をしました。本校も生徒会の生徒達がとても明るく元気よく筑中のことを紹介してくれ、放送部が爽やかな落ち着いた声で進行をしてくれました。中学生の反応を見ながら堂々とした態度でプレゼンをする生徒会の様子は誇らしく、本校の生徒達も満足したと感じています。2700名ほどの参加者があり、「やればできる」を確信したものです。
もう一つ、To see is to believe. で心に残ったことがあります。
８月９日、被爆７７年の長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典で、被爆者代表宮田さんが、話された内容です。ウィーンで開かれた核兵器禁止条約第1回締約国会議に参加した時に、宮田さんは、「長崎に来てください。百聞は一見にしかずです。二度と長崎で戦争をしないでください。ウクライナでも。」
“Please, visit Nagasaki. To see is to believe, no more Nagasaki, Stop Ukraine”
私は、人として戦争のない世界であることを願うとともに、事実認識そして忘れてはならない場所や実物を見る大切さを伝えておられることに心を動かされました。この事から、校長として皆さんが様々な経験をして高校時代でしかできない感動を味わって欲しいと思い、そのための努力が私にも求められていると改めて感じました。
そして、２学期に予定している文化祭「宰都祭」では筑中の歴史、伝統を感じながら皆さんが想いを一つにして、筑中ならではのわくわくするような楽しい体験をして欲しいと心から願っています。
「見て、考えて、やってみる」機会であり活動の場であると捉え挑戦してください。期待しています。
終わりに一つ報告をします。１学期末にみなさんから「学校満足度アンケート」をとりました。全校生徒1225名の内964名が回答してくれました。皆さんの協力に感謝し、94.5％が「満足している」という結果をありがたく思っています。一方で、5.5％の「いいえ」については適切に対応することが本校の充実・発展になるという観点から、今後分析・考察し、関係者で共有し、改善していきます。経過等については折々皆さんに話したいと考えています。
明日から授業再開です。皆さん一人ひとりが健康に留意し、主体的に学びながら、知識を深め技能を高めながら健やかで心豊かに成長することを強く願って、式辞といたします。
令和４年８月２９日 福岡県立筑紫中央高等学校長 林 節子
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